2019年09月07日

世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか(後編) 政治から遠ざかる人々の声をいかに拾うか

 第9回世論・選挙調査研究大会(2019年9月21日)のパネル・ディスカッション「出口調査、世論調査、まだ大丈夫だったか?」に討論者として登壇することになりました。今回の討論では、デジタル毎日「政治プレミア」に寄稿した全2回の記事「世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか」で論じた内容を下敷きに論点を提示する予定です。この記事は会員でないと閲覧できないことから、こちらでも公開することとしました。
 なお、毎日新聞提供の調査の細かい数字に関してはこちらで詳細を公開いたしません。表では※と表記し、グラフでは範囲をぼかしていますので、気になる方は「政治プレミア」でご確認ください。

・関連リンク
第9回世論・選挙調査研究大会プログラム(pdf)
 なお大会への参加は登録が必要で、参加は有料です。詳しくはこちらをご覧ください。
元記事:菅原琢「世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか(後編) 政治から遠ざかる人々の声をいかに拾うか」(デジタル毎日「政治プレミア」)


世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか(後編) 政治から遠ざかる人々の声をいかに拾うか(2019年5月14日公開)

 前編では、マスメディアの世論調査の回答者が有権者全体の「縮図」となっていないのではと指摘した。今回は、回答者の構成にどのようなゆがみが生じているのか例示したうえで、有権者全体の世論を知るために何をすればよいか考えていきたい。続きを読む
posted by suga at 22:30 | 分析記事

2019年09月06日

世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか(前編) RDS法、オートコール、ネット、3種の調査結果を比較する

 第9回世論・選挙調査研究大会(2019年9月21日)のパネル・ディスカッション「出口調査、世論調査、まだ大丈夫だったか?」に討論者として登壇することになりました。今回の討論では、デジタル毎日「政治プレミア」に寄稿した全2回の記事「世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか」で論じた内容を下敷きに論点を提示する予定です。この記事は会員でないと閲覧できないことから、こちらでも公開することとしました。
 なお、毎日新聞提供の調査の細かい数字に関してはこちらで詳細を公開いたしません。表では※と表記し、グラフでは範囲をぼかしていますので、気になる方は「政治プレミア」でご確認ください。

・関連リンク
第9回世論・選挙調査研究大会プログラム(pdf)
 なお大会への参加は登録が必要で、参加は有料です。詳しくはこちらをご覧ください。
元記事:菅原琢「世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか(前編) RDS法、オートコール、ネット、3種の調査結果を比較する」(デジタル毎日「政治プレミア」)


世論調査は人々の意見を正しく反映しているのか(前編) RDS法、オートコール、ネット、3種の調査結果を比較する(2019年4月30日公開)

 今回の統一地方選の知事選の中で、国政与野党の統一候補が対決した唯一の選挙であった北海道知事選において、筆者を代表としたグループはインターネットによるアンケート調査を行った。この調査の主な目的は、マスメディアの世論調査について批判的に検証することである。しかし同時に、あるいは必然的に、現代日本の政治と人々の関わりを浮き彫りにするものとなった。

 今回は、前編、後編の2回にわたってこの調査の結果を簡単に報告し、現代日本の政治を理解する際に有意義と思われるデータと議論を提供したい。この前編では、世論調査に関する論点を整理するとともに、毎日新聞が実施した選挙期間中に結果予測のために行った調査(情勢調査)との比較を行う。続きを読む
posted by suga at 23:59 | 分析記事

2019年08月11日

憲法改正への賛否と投票行動


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 この図1は参院選前に「政治プレミア」に掲載した意見募集記事(菅原琢「憲法改正は争点として有効か」『デジタル毎日』2019年7月18日)で使用した図です。野党が憲法改正の是非を取り上げることは、憲法改正反対派を惹きつけるという点で一定の成功を収めていますが、憲法改正に特に意見を持たない層、関心のない層に対し野党は(与党も)アピールできていない、ということがこの図に示されています。

 社会的弱者に支持されない野党の表と同様に北海道知事選ネット調査を用いているため、全国の傾向を示していない可能性がある点はご注意ください。

 この北海道知事選ネット調査を用いて政治プレミアのほうで論じたことですが、世論調査にはどうしても政治に関心がある層が過大に代表される傾向があります。低関心層を(無理やり)より現実に近いくらいの割合に反映させて図1を作成しなおしたのが次の図2です。続きを読む
posted by suga at 11:15 | 分析記事

2019年08月10日

菅原琢「「地域ありきの復興」という幻想」『新潮45』2011年10月号


 震災の甚大な被害を受けて、政治家やメディアは被災地域の復興を訴え続けている。そうした主張や言葉を多くの人は不思議とは思わないだろうし、納得もするだろう。だが筆者は、こうした地域中心の復興の方向性に危惧を抱いている。そのことを8月25日の朝日新聞で「復興に潜む戦後政治の呪縛」という短い記事で示したところ、ここに呼ばれた次第である。

 これから行われる地域復興について考察するためには、すでに窮地に陥っている地域の例を見るとわかりやすい。一定の結果が出ているからである。その代表例は産炭地である。エネルギーの転換や国際競争力を失ったことにより日本の産炭地は窮地に陥り、ほとんどの炭鉱が閉山となっている。夕張市が地域の雇用確保、観光誘致を目的として次々とハコモノを建設していった結果、粉飾決算に走り、財政再建団体となったことは記憶に新しい。ニュースにならない北海道や福岡などの他の産炭地の実情も同様である。石炭に代わる新たな産業、雇用を呼ぼうと工業団地のようなものを造成するも、企業の進出は進まず、地域に残った人々の間では生活保護受給者が増えるというのが「結果」である。

 旧産炭地に限らず、工業団地造成のような開発事業は全国の自治体で行われている。人口減少地域の自治体が、雇用を確保するという目的のもと計画し、道路や上下水道などのインフラも整備している。しかし、全国の多くの造成地が空き地のままとなっている。

 政治や行政、業界団体などが音頭を取って「地域振興」をするのが、日本では当たり前の風景となっている。そして往々にして実を結ばず、逆に地域が疲弊する結果となることもしばしばである。雇用や観光客を呼び、衰退する地域を活性化させるためとして正当化されているが、全国で似たようなことを行って少ない雇用や観光客を奪い合っているため、その多くが「敗者」となっている現状がある。続きを読む
posted by suga at 00:05 | 懐かしい文章

2019年08月03日

山本太郎・れいわ新選組に関する朝日新聞「耕論」の記事補足


(耕論)山本太郎という現象

 朝日新聞の「耕論」という欄でれいわ新選組について論じました。下記エントリで述べたことにプラスして政策等について述べたものです。

2019年参院選の雑感


 また、下記エントリの内容も関係しています。

社会的弱者に支持されない野党

 このエントリでは、この記事の補足をしておきます。例によってツイッターの呟きのまとめです。

 「耕論」の記事全体のタイトルは「山本太郎という現象」となっていますが、主に自分が聞かれた、答えたのは「れいわ新選組」という政党とその政策についてです。「個人頼みの現状、政策次第」という小見出しにこれが反映されていますね。

 自分の議論はいつもそうですが、今回も事前に数字をいろいろ見てお話をさせていただいております。記事での票数比較では衆院ではなく参院のみんな、維新を使いました。二院クとか日本新党とか言ってもわかる人は少なく、有権者数やら何やらが違いますので。

 今回の記事では載らなかったこととしては、れいわ新選組の今回選挙での戦術の話があります。固定枠の件ですね。現状、マス・メディアもネットの有象無象の議論も、重度障害者が議員になること、に集中していますが、今後のれ新を考えるとこの状況が果たしてどれだけプラスか…って話です。続きを読む
posted by suga at 21:11 | 分析記事