2021年11月01日

2021年衆院選 各社情勢(結果予測)に関する考察

 今回の衆院選では、国会議員白書本体で各社の情勢予測をまとめていました。選挙後の分析のネタ用に付けていたのを公開してみたのですが、各社の情勢を確認していた当初からどう転んでもなかなか大変なことになりそうだとわかり、まとめておいて良かったと思います。

 ここではいくつか簡単な図表を載せ、解説しておきたいと思います。
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タグ:衆院選
posted by suga at 18:42 | 分析記事

2021年09月10日

野党の候補者調整の意義と課題――2019年参院選の分析から


 次の衆院選は、野党の選挙協力、選挙区調整が鍵になります。2017年衆院選は選挙前に民主党が分裂し、希望の党と立憲民主党に分かれたために、野党は多くの小選挙区で選挙前の段階で負けていました。2021年衆院選では、まだ調整を残している段階ですが、17年と同様の分立状態は回避されそうです。

 ただし、野党の協力に疑義を呈する人々もいます。共産党と協力したら逃げる票もあるとか、そのロジックは何でもいいのですが、あまり有効でないと主張する向きもあるようです。

 そこで、2019年参院選のデータを使い、野党協力の効果について簡単に論じておきたいと思います。


■限定的だった野党統一候補の成功
 2019年参院選の1人区では野党間の候補者調整が行われ、すべての選挙区で野党系の候補が1人となりました。その結果、32選挙区中10選挙区で野党系候補が勝利しました。この結果は、一定の成功を収めたとも表現できる一方、10勝22敗のダブルスコアで負けたとも表現できるものです。

図1a 野党比例区得票率と野・与党選挙区候補得票率差(2019年参院選)続きを読む
posted by suga at 15:00 | 分析記事

2020年11月04日

「大阪都構想」への理解度が高い人ほど同構想に反対する・・・という分析結果は怪しいので気を付けましょう


 先日行われた「大阪都構想」をめぐる住民投票を前に、同構想に関する理解度が高いほどこれに反対し、理解度が低いほど賛成に回るといった内容の「調査結果」が公表され、ツイッター等で出回っていたようです。しかし、すでに記事タイトルに示したよう、この分析結果は怪しいものであり、真に受けてはいけません。

 なぜそのように言えるのか、簡単に解説しておきます。続きを読む
タグ:世論調査
posted by suga at 00:43 | 分析記事

2020年08月08日

多重共線性(Multicollinearity)は何が問題なのか――日本の選挙研究の実例から


 今回は多重共線性(Multicollinearity、マルチコ)について実例を元に解説したいと思います。

 マルチコは、よく問題になるなる言われるわりに、実際に問題になっているのを見たことがないという方も多いでしょう。院生同士の研究会でマウントの取り合いに使われるくらいの存在かもしれません。

 たまたまツイッターを見ていたら、神戸大学の藤村直史先生がよい材料を提供してくださっていたので、感謝しつつこれを使います。

Fujimura, N. (2020). Effect of Malapportionment on Voter Turnout: Evidence from Japan's Upper House Elections. Election Law Journal: Rules, Politics, and Policy: Published Online:7 Jul 2020. (pdf)

htmlの別ソース

 選挙がテーマですが、広くデータ分析を行っているみなさん、データ・サイエンティスト等を目指すみなさんに参考となると思います。こういう生の実例が手に入ることは珍しいですし。

 ただ、先に述べておきますが、自分は方法を開発するような立場の人間ではないので、以下の記述に間違いや誤解を生む内容が含まれているかもしれません。わかりやすい言い回しに努めていますので、厳密でない単純な言い方になっているところもあります。あと、うまく言語化できず珍妙な表現になっている場合もあります。

 それでよろしければ、長いですがお読みいただければと思います。続きを読む
タグ:参院選
posted by suga at 06:42 | 分析記事

2020年07月07日

宇都宮健児候補と山本太郎候補の自治体別得票率からわかること(2020年東京都知事選データ分析)


(7/10、わかりにくいのでタイトル変えました)

 引き続き、野党系2候補について簡単にデータを見て議論してみます。前回の記事は下記ですが、連続はしていないのであちらを読まなくてもこちらのお話を理解することはできます。まあ今回は、文章は大したことを言っておらず、図がお役に立てればという感じです。

小池百合子圧勝の簡単なデータ分析(2020年東京都知事選挙)

 今回の都知事選では、告示直前に山本太郎候補が出馬を表明したために、革新系の野党系2候補間で票割れが起きることが危惧されました。実際には、2候補合わせてもまったくもって1位に全く届かないという結果となったので、単純に両勢力とも支持不足が敗因なのは明らかですが、それでもデータを観察することで得られる示唆はあります。そういうわけで、地域別得票構造を観察して、そこから何が言えそうか考えていきたいと思います。

2020東京都知事選 図7 野党系候補得票率と2019年参院選れいわ新選組比例区得票率続きを読む
posted by suga at 22:50 | 分析記事