昨日の記事のご反響をいただくなかで、棒グラフが有効な例を描きたいと思ったのでやってみただけなんですが、この手の記事を見かけなかった気がするこよもあり、描いた図をお裾分けしておきます。
図1は、東京都の自治体別の新型コロナウイルス患者数を5月31日を境に前後で集計したものを、5月30日以前(便宜上第1波と表現)の患者数順に並べたものです。5月31日の報告数は5人で、その後徐々に増えていきますので、この日を基準にしています。周辺の他の日を用いても傾向は変わりません。見ての通り、新宿区を除けばどこも第1波より5月31日以降(第2波?とする)のほうが患者数は少なくなっています。
図2は、1万人あたりの患者数を前後で比較してみた散布図です。縦軸(第2波?)では多くの自治体が1万人あたり2人以下で、マーカーが下に張り付いています。しかし、新宿は外れ値のように上方に位置し、豊島区、中野区あたりも集団から離れています。東京都が「夜の街」などと表現し、最近では集団検査を実施しているエリアとその周辺です。
2次の回帰式を入れておきました。赤い線は患者のいる全自治体、青い線は上記3区と渋谷区、板橋区を除いた自治体を対象としたものです。5区を除外しただけで随分と異なる傾向となっていることがわかります。
図3は第1波、第2波?の患者数の自治体別シェアを見たものです。第2波の人数順に並べ、5区のみ色を付けています。これを見ると、第2波?は一部の自治体に集中していることが明らかです。第2波?では先の5区だけで5割を超えます。
以上の簡単な図の観察からは、第2波と呼ばれ始めている最近の東京都の新型コロナウイルスの感染拡大は、集計上は一部の地域の、おそらく集団検査により生じていることがわかります。その一部を除けば、図2で見たように今のところ感染拡大は緩やかで、第1波と同じような状況とは言えなそうです。
ただこれを見て、やはり大丈夫とか大したことないというわけでもないでしょう。他の職種、地域でも広く検査を行えば無症状の感染者が多数見つかるのではと論じることも可能です。あくまで東京都が集計したデータの分布がこうなっているというだけで、感染の実態がどこまで正確に把握できているのかはわかりません。
報告し忘れていたのですが、国会議員白書の検索を少し強化していて、本会議、委員会、質問主意書に分けて単語を検索できるようになっています。検索窓に「コロナ」と打って全体の結果を表示させてから質問主意書のタブを開くと、各議員の質問主意書のページから探すことができます。ご参考まで。
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