2017年10月21日

国会議員白書の紹介記事紹介

人柄か政策か見定め http://t.asahi.com/nyj4

 国会議員白書を朝日新聞(山梨県版)でご紹介いただきました。単純にサイトを紹介するというのではなく、投票の際に何を見れば、考えればよいかという文脈で取り上げていただいております。長めのコメントつきです。
 自分のコメントは、政治家の「人柄」は判断基準にできないという、前半の学生団体さんたちの議論を否定してしまうような内容です。ごめんなさい。

 まあ、政治家の本当の人柄なんてよほど傍にいないとわからないでしょう。たとえば、某暴言議員の人柄をよく知っていた人は選挙区にどれくらいいたでしょうか。特定の政治家の人柄を投票理由として宣伝する人がツイッター等にもいますが、政策・政治信条の近さを人柄に含めているか、思い込みなのではないでしょうか。

 その人がいい人かどうかは、政治的決定やこれによる投票者への利益とは多くの場合無相関でしょう。その人が当選し、政治に何がもたらされるかは、その人の訴えと、実際に働いてくれるかどうかにかかってくるはずです。

 政策が自分自身の望む方向性に反していれば、その「いい人」への票は、投票者自身に害をもたらす可能性を高めるだけです。政策・政治信条から独立して「人柄」の良し悪しを判断しようとしても、無駄なわけです。

 とはいえ、実際に「人柄」方面で問題を起こす議員がいること自体は、さまざまな面で有権者に不利益をもたらすでしょう。しかし、「人柄」判断の難易度の圧倒的な高さを考えれば、そこは有権者が判断すべき点ではないでしょうね。

 本来、候補者としての最低限の資質の確認は、選挙において特別な地位を与えられている政党が、公認付与の過程で行うべきものでしょう。それができないのは、政党組織が脆弱であること、候補者を選挙区での勝利優先で選んでしまうこと等、制度的な弊害が大きいのではと考えられますね。

 このあたりを話し出すと長くなるので、関心ある方は『平成史』http://amzn.to/2yEkdUC の拙稿をご確認いただければ(「人柄」の話は書いていませんが)。
posted by suga at 22:28 | 国会議員白書